酪農業やバター生産と利権について考えたこと①
どうも、あうくばです。
6/13のガイアの夜明け『再び、巨大"規制"に挑む!「ガイアの夜明け」15周年企画「ニッポン転換のとき」第三弾~「バター不足」さらなる闇~』を見た感想を書いていきます。
久々に1時間通して、最後までテレビ番組を見ました。
最近はYoutubeをメインに見ていて、テレビは朝のニュースや食事中に見ているぐらいです。
ただ、この番組は夜ご飯を食べながら見ていたらとても面白かったので、最後まで見てしまいました。
非効率的だが法律や規制のおかげで成り立っている利権団体が今でも利益を搾取している構図がよく分かる番組でした。
番組の内容は、農協が握っている牛乳の流通に対して、ある株式会社とその関係者たちが独自の流通をしていこうとする様子を取材したものでした。
指定団体という法律で指定された団体が日本全国に10個あります。
関東や近畿など、各地域に1つずつというイメージです。
このどれもが農協の団体で、この地域はこの団体に牛乳をすべて卸すことが一般的のようです。
つまり、牛乳の卸売り業者が、地方ごとの1つしかない寡占状態ということです。
売り手に寡占(や独占)が起きると価格が高くなるというのは経済学の常識ですが、買い手が寡占状態となると、価格が低くなってしまいます。
そのため、牛乳の生産者たちは(不当に)低い価格で牛乳を卸売り業者(指定団体)に販売せざるをえません。
そんな中、株式会社MMJという企業が牛乳の流通を始めます。
どうやら指定団体に卸さないといけないという規則は無く、酪農家の皆さんは卸す先がそこしかないからしょうがなく指定団体に卸しているみたいです。
そこで、この会社は指定団体より高値で牛乳を買い取り、加工業者に安く販売することを目指して事業を始めたそうで。
行政がやっていることを企業が代わりに始めると、効率がよくなって価格が下がるなんてことはよくありますが、これもそんな感じですね。
実際、高値で買い取れているようです。
しかし、指定団体も対抗するために、買い取り価格を上げたり、圧力をかけたり、指定団体に牛乳を売るかどうかに関わらず、農協の組合員には全員に卸した牛乳の量に合わせてお金を取ったり。
最後のお金を取る仕組みなんて訳わかんないです。
指定団体/農協とは関係ないところで牛乳を売っても、その量に応じて組合費的な名目で金をとるんですから。
他にも、加工業者にも圧力をかけていきます。
指定団体以外から牛乳を買ったら取引をやめることを暗に伝えて、MMJと取引をしづらくしていました。
農協って巨大すぎるので、利権はガチガチでも安定して牛乳を買い取る/販売することができるんだと思います。
それに比べればかなり規模の小さい企業のみを取引先にするのはリスクが高いんでしょうね。
そんな中、指定団体には牛乳を卸すのをやめ、すべてMMJに売るという酪農家の方も出てきて、MMJと共に今の規制に挑んでいくという様子も描かれていました。
ここまでで、番組の半分くらいの内容です。
これを見てて思ったのは、未だにこんな昔ながらの仕組みが牛耳っている世界ってあるんだなってこと。
農協関係の団体の寡占なんて絶対効率悪いはずです。
消費者も生産者も得をしない、得をするのは中間搾取する農協の関係者たちばかり。
こんな仕組みが日本中で行われています。
今回は牛乳の業界でしたが、農業関係はどれもこんな感じなんじゃないですかね。
指定団体制度のある牛乳ほどではないにしても、取引先を農協に限られている業界は多いと思います。
昔は、農協が農家に貸付も行ったり、流通が今ほどしっかりしていない状況で農協が一括して流通を担うことが良かったのかもしれません。
しかし、今は多数のな金融業者が様々な手法で農業の価値を測り、貸し付けを行えます。
また、インターネットをつかえば、消費者に直接販売できる流通網が存在します。
そんな時代では、農協は過去の遺物になっているのではないでしょうか。
アベノミクスの一環で農協の改革を行うなんて話がありましたが、「安倍一強」と言われ、無茶をしても全然支持率に響かない今の政権は、農協改革を行う大チャンスのはずです。
加計学園問題で知りましたが、獣医の世界も規制改革が行われたんです。
アメリカ抜きのTPPも行うなんて話もありますし、農業の世界も規制・構造改革を行って、より効率的な生産・流通が行われるようになって欲しいです。
長くなったので、次回以降の記事でこの番組について、もうちょっと書きます。(予定)
以上、よろしくお願いします。